一日の時間とトリドーシャ

アーユルヴェーダ 一日の時間とトリドーシャ

最近よく眠っているのに一日中なんだかボーッとしてしまうんです……

睡眠時間だけじゃなくて、寝ている時間帯も関係しているのかもしれないね。

起きるのは何時?

8時から9時ぐらいです。

なるほど!その時間はカパの時間って言ってね。少し重たい時間なんだ。

カパ?

そう!カパ!

アーユルヴェーダではそれぞれの時間帯に対応するダートゥ(ドーシャ)があってね。

時間帯とダートゥを知ると、睡眠だけでなく、日々の暮らしの質も向上するよ!

そうなんですね!それはぜひ知りたいです!

2:00-6:00 ヴァータ

「空+風」の要素を持つヴァータの時間帯。

この時間は体も心も軽く、「動き」の時間です。

この時間帯に起きると、一日を軽快に過ごすことができます。

特に日の出の96分前にあたる「ブラフマームフールタ(ブランハームフールタ)」は神聖な時間帯とされており、この時間に瞑想やヨガやお祈りなどの精神を高める活動をすることが良いとされています。

brāhmamuhūrtaṃ uttiṣṭhet svastho rakśārthaṃ ayuṣa |

tatra sarvārtha śāntyartham smareccha madhusūdanaṃ ||

アシュタンガフリダヤサンヒター

「望むような完璧な健康、長寿を維持するために、人はブラフマームフールタに起きるべきである。」とアシュタンガ フリダヤに書かれています。

6:00-10:00 カパ

朝日に光る朝露をイメージしてもらえるとわかりやすいでしょうか。

この時間は「地+水」の要素を持つカパの時間帯。

この時間に起きると少し重たい一日に。二度寝したくなる気持ちもわかりますが、なるべく早めの時間に起きることを心がけるといいですね。

ちなみに早起きのコツは、「早寝」

寝る時間が遅いまま早起きは難しいですよね。

逆にこの時間は落ち着いて一日の計画を立てたり、考えたりにちょうど良い時間帯です。

10:00-14:00 ピッタ

太陽の光も強くなるこの時間は「火+水」の要素を持つピッタの時間帯。

体の中の消化の火(アグニ)も強まっているので、昼食を摂るのにも良い時間帯です。

アーユルヴェーダでは食事の量を「活動量に合わせて」「各人の消化の火に応じて」食べることがすすめられています。

「朝:昼:夜 = 2:3:1」の割合で食べると良いでしょう。

14:00-18:00 ヴァータ

再びヴァータの時間。

仕事の終わりや夜の予定に向けてそわそわしだす風の動きが強まってきます。落ち着かなさから仕事のミスなども生じてしまうかも。

そんな時間は少し休憩を取って、甘く温かい飲み物でほっと一息入れるのもいいですね。

18:00-22:00 カパ

多くの人が夜ご飯を食べるであろう時間。一日の最後に豪華なディナーを!といきたい気持ちもわかりますが、寝る準備へ向けてご飯の量も少なめに。

カパには「吸着」のエネルギーが含まれています。食べ過ぎ、油の多い料理などは控えると次の日が軽く過ごせますよ。

寝る前までには胃を空っぽにしておくのも、上質の眠りのためには大切です。

22:00-2:00 ピッタ

俗にいう「ゴールデンタイム」。

この時間に睡眠を取るのがお肌や髪や成長に良いと言われるのはピッタの持つ「変換」のはたらきによるもの。

一日に取り込んだ栄養を身体のすみずみまで行き渡らせ変換する時間です。

また、火の力で一日の精神的なものの消化も行ってくれます。

ムフールタ(muhūrta)

ヒンドゥー教の時間の単位にmufūrta(ムフールタ)というのがあります。

一日を30分割、つまり1ムフールタを48分として計算します。

以下、各ムフールタの名前と、それぞれの吉凶を示します。

名前名前意味グナ
01.ルドラ(日の出)rudra咆哮者
02.アーヒāhiへび
03.ミトラmitra友達
04.ピトルpitṝ
05.ヴァスvasu輝き
06.ヴァラーハvarāhaイノシシ
07.ヴィシヴェーデーヴァーviśvedevā一切主
08.ヴィディvidi洞察力吉(月曜日と金曜日を除く)
09.スタムキーsutamukhī御者の顔を持つ者
10.プルフータpurhūta多くの奉納者
11.ヴァヒニーvāhnī戦車の所有者
12.ナクタナカラーnaktanakarā夜を生む者
13.ヴァルナvaruṇa水の主
14.アリアマンaryaman崇高なる者吉(日曜日を除く)
15.バガbhaga分配者
16.ギリーシャ(日没)girīśa山の主
17.アジャパーダajapada生まれることのない足の主
18.アヒル・ブドニャahirbudhnya蛇の足の主
19.プシャpuṣya滋養をもたらす者
20.アシヴィニーaśvinī騎手
21.ヤマyama制御者、死の管理者
22.アグニagni火の主
23.ヴィダートルvidhātṛ分配者 
24.カンダkaṇḍa光彩を添える者
25.アディティaditi無限なる者
26.ジーヴァ/アムルタjīva / amṛta生命/不死
27.ヴィシヌviṣṇu遍在者
28.デュマドガデュティdyumadgadyuti鳴り響く光
29.ブラフマーbrahmā宇宙/創造主
30.サムドラムsamudra大海の主

まとめ

日の出の96分前に起きたり、22時前に寝たり、とすぐには難しいかもしれません。

時代も場所も違うのだから、すべてをそのままに生活に取り入れなきゃと無理をすると、かえって生活が乱れてしまうなんていうことにも。

でも、一日の時間にもそんな性質があるんだと知って、少し意識すると、輝きのある日常が訪れるかもしれませんね。

輝きのことをサンスクリットではtejas(テージャス)と言います。

これはいわゆるオーラというものです。

輝きのある日常生活で、全身から素敵なオーラを放つ、そんな人になれる手助けができれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。今日も皆様とヴェーダの教えをシェアできることを感謝いたします。

oṃ śāntiḥ śāntiḥ śāntiḥ

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